マインドフルネスってそもそも何?

セルフ・コンパッションの3つの要素の一つに「マインドフルネス」があり
マインドフルネスがセルフ・コンパッションの
重要なベースになっているということなのですが・・・

そもそもマインドフルネスって何?と
疑問を持たれる方が多いようです。

マインドフルネスとは、「今の瞬間の気持ち」「今ある身体の状態」といった
今の経験にあるがままに気づき
良い悪いの判断なしに受容している心の在り方です。

「自分の気持ちなのに気づいてないってことがあるの?」
と疑問に思われる方もいるかもしれませんが
実は、自分の本当の気持ちって
意外と気づいていないことも多いのです。

あまりにも習慣的に感じすぎていて
それが当たり前になって気づいていない場合や
感じるのが怖いから、苦しいから
無意識的に蓋をして感じないようにしてしまう場合など
特にネガティブな感情には気づきにくいことがあります。

セルフ・コンパッションにおいてマインドフルネスが重要なのは
自分のネガティブな感情にきちんと気づいてこそ
自分に適切な思いやりを向けることができるからです。

また、マインドフルネスというと「瞑想」をイメージされる方も多いですが
「瞑想」はマインドフルな心の状態を作るための練習のひとつです。

マインドフルネスを練習し、実践することで、
不安やストレスの解消、集中力アップ、自己肯定感の向上、人間関係の改善など
数多くの効果が得られることがわかっています。

「脳の習慣」とマインドフルネス

「瞑想をしようとしても、すぐに心がさまよってしまい、集中できない」
これは、人間にとってはとても自然なことで、誰にでもあることです。

人間には、何もしていない時に活発に機能する
脳の領域のネットワークがあることがわかっています。
これを「デフォルト・モード・ネットワーク」と呼んでいます。

デフォルト・モード・ネットワークは
創造性やひらめきを生み出す役割がありますが
過剰に働くと、過去や未来に自分の感覚を反映させ
問題を探すようになるので、余計な不安を生み出すようになります。

この傾向は、人間が生物として生き残るためには
あらかじめ脅威を予測することができるので有利に働きますが
現代の実際の生活の中では、幸福感を妨げる場合が多いのです。

私たちは一般的に、幸福よりも生存を優先するように
脳がプログラムされている
ということを覚えておいてください。

しかし、マインドフルネスを定期的に実践すると
この「デフォルト・モード・ネットワーク」の
過剰な働きを抑えることができるということが
研究で明らかになってきています。

マインドフルネスを用いると、今、起こっている感情を
客観的に、少し距離を置いてみることができるので
心に余裕ができ、状況にどのように対応したいのかを
自由に選択することができるようになります。

つまり、マインドフルネスを練習すればするほど
自分にとって良い選択をする機会が増えることにもなります。